2005.11.9 株式会社フェニックス 第一事業本部 宮沢賢一
キラはいつも裏切ってくれる。良い意味で裏切ってくれる。そしてその裏切りは、カナリ楽しい。
その楽しさを少しだけ書かせて頂きます。
T シャツにチノパン。ニヤニヤ?ニコニコ?しながら『ハイ。』くらいしか喋らない おとなしい少年。普通。私が最初にアキラに会った時の印象である。彼が高校を卒業し、大学進学を機にPHENIXのウエアを着用する事になった時の事であるから、5年前 アキラ 18歳の春である。
向かう所敵無し。インターハイで優勝し、ゴールエリアで
『命』のポーズをきめて見せたエピソードも聞いていた私とって、意外な印象だった事を記憶している。
まあ、今になってみれば10以上年上の初対面のオッサンが相手となれば当然の事だと思うが。
しかし、そのアキラ像は、その後すぐにまったく違う物になってしまった。
ンクトップに短パン。夏まではもう少しという時期に、『東京は暑いっす。』と言いながら アキラは『カブ』(原付のスーパーカブ)でやって来た。どこで手に入れたか定かではないが、深沢にある大学の合宿所からカブに乗って会社にやってきた。その次ぎに来た時は、途中で壊れたので渋谷に乗り捨ててきたと言っていた。
私の中で、この頃から
雲行きが怪しくなってきた。
また、アキラを語る上で欠かせない事柄に気が付いたのも、このあたりからだった。
『物』『スタイル』に対するこだわり。
外見という意味のスタイルだけでなく、生き方という意味のスタイルに対しても。
それは決して固執ではなく、押し付けがましくもなく、
アキラ流である。
アキラと接して得られるこの感覚を上手く表現出来ないのが、もどかしが、あえて言うならば、
スニーカーマニアが箱も大切に保管し、眺めるだけでめったに履いたりしない超レアなスニーカーをアキラが手に入れたとする。箱は必ず捨てる。尚且つ雨の日でも構わず履く。物であれば、使って何ぼ。気に入った物は使っていたい。自分の居心地が悪くなる様な無理なカッコは付けない。そんな感じである。
、ここまで言うと、かなり大雑把な性格だと思われてしまうが、時にマメで細かいアキラに驚かされる事もある。本人も言う通り、アキラは、陽気な引きこもりである。ネットや雑誌の細かいところまでチェックして、次ぎに着たいウエアの参考になる物があれば切り抜きをして貼り付けたり、デザイン画を書いたりしたノートを作っている。マニアックである。ウエアについて打ち合わせをする時など1冊のノートを持って来て話始めるのだが、その切り抜きが見つからない。どうもその日の気分によって手近かにあるノートに切り抜きを貼り付ける様で、そんなノートが何冊かあるらしい。
やっぱり、大雑把なのか?
そんな打ち合わせの結果、アキラのイメージが詰め込まれたアキラオリジナルのウエアが出来上がる。デザイン担当の社員とアキラの呼吸が合った作品作りである。
た、アキラはコミュニケーションの天才である。20代前半の時分、特に男性であれば多くの人がそうだと思うが、はじめて合う子供へどう接したら良いのか戸惑ってしまうと思う。或いは、あえて接しない様にしてしまうかもしれない。当然、アキラもそうだと私は勝手に思っていた。そこでもまた私はアキラに裏切られたのだが。
あるスキーキャンプでの事、参加者の子供達にアキラがサインをせがまれていた。簡単にサインして済ませるのかと思ったら、アキラは片ひざをついて冗談を交え、一人一人と話をしながらサインに応じていた。あえて、目線の高さを合わせて。その仕草がなんとも自然だった。
子供達が大喜びした事は言うまでもない。
人を引寄せ、いつの間にか自分の事を好きにさせてしまう。アキラは、天才である。
キラと会って、6回目の冬を迎えようとしている。
今度は、どんなアキラに会えるのか。
裏切りを楽しみに待ちたいと思う。

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