2007.6.19 1981」 上野雄大

高のスキー仲間」
俺が佐々木明という人物に対して持っている印象はこの言葉に尽きる。

アキラとの出会いは今から約10年前のことだったと思う。
当時、お互い高校生だった僕らはイタリアのスキー場で別々のアルペン合宿に参加していた。俺もまだワンピース姿にヘルメット、
曲がったストックにビンビンにエッジがたったレーシングスキー。アルペンの成績にしかこだわっていないクソまじめなアルペンレーサーだった。
一方、アキラはこのときからスキーを最高に楽しむことを最優先していて、アルペンレーサーという言葉に収まりきらないスキーヤーだった。当時、アキラは俺の中にあった普通のアルペンレーサー像とはかけ離れた存在だった。
そして、自分とは全く違った考えや行動をとるアキラは俺にとって
衝撃的な人物だった。「トレーニングしっかりやっているのか」って思うけど大会に出れば同年代で敵なし状態、大会の前後はツインチップのスキーを履いて危険な斜面を滑り、キッカーでは当時俺もできなかったようなスピンをメイク。こいつは普通じゃないなと思ったのと、正直この人は違う世界でスキーに向き合っているって思ったのを覚えている。その一方で、アキラは俺に無いもの沢山持っているなって思って、「一緒に滑ってみたいな」とも思ったのをハッキリ覚えている。

キラと出会った頃、俺はスキーに行き詰まって路頭に迷っていた。「本当に俺はスキーが好きかって?」いつも自問していた。そんな状況のときにアキラと出会い少しずつコミュニケーションとっている中で答えがハッキリしてきた。俺は成績だけにこだわってスキーを全く楽しめていないってことに。
でも、俺は昔からスキーをやってきたし、こどもの頃はスキーが楽しくて毎日山に上がって、自分の好きな斜面を滑って、自分が飛びたいジャンプ台を作り、好きなように雪山を楽しんでいた。しかし、中学、高校と年が経つにつれて本来のスキーの楽しさを
見失ってしまっていたことに気づいた。
アキラはいつでもスキーを楽しそうに滑り、滑りたいところを滑りながらアルペンの成績も右肩上がりで伸ばしいっていた。
んなアキラの姿は身近にいながら遠い存在でもあった。このとき俺はアルペンレーサーとしてのこの先に見切りを付けて、自分が本当に楽しめるものを見つけようと心に決めたよ。
それからはマウンテンバイクやマラソン、インライン、そしてスキージャンプ競技と自分が興味を持てる様々なスポーツに挑戦して次なる道を探した。このとき何となく思ったのはアルペンじゃなくてもスキー競技で世界の道が広がったら世界選手権やワールドカップの舞台に立てる。そして競技は違っても自分が最高にそのスポーツを楽しむ中で、
アキラと同じ舞台に立ちたいと強く願っていた。
そうしているうちにアキラはワールドカップで数々の成績を残し始めオリンピクにも出場、いつの間にか
世界のAKIRAになっていた。
の頃、「あとは俺が行くだけだって思っていたよ」そう思っていた矢先に俺が新たな舞台として選んだフリースタイルスキーという競技が世界中で勢いを増しワールドカップ種目に決定。2005年には世界選手権開催も決定した。そして、俺も世界選手権出場権を獲得。当然アキラも出場する状況だった。
しかし、俺は勘違いしていたことが一つあった、それは同じスキーとは言っても競技が違えば開催スキー場どころか、国までも違ってくることだ。「
同じフィールドで」って思ったけどお互いに成績を出して舞台が海外中心になればなるほど、2人で一緒に滑る時間が全くなくなっていった。
それは今もまさに現在進行形で、最近は一緒に滑ってないけど今はお互いできることやって、後何年先になるかわからないけど、思いっきり一緒にスキーできることを楽しみにしているよ!!!
キラと出会って10年、俺はあのときとは全く違ったスキースタイルで世界中の山を舞台にスキーができている。そして、当時アルペンレーサーだった俺は、今ではフリースキーヤー上野雄大として活動することができているし、周囲からもフリースキーヤーとして評価や期待もされる。俺にはフリースキーヤーとしてまだまだやることがある。しかし、本当のフリースキーヤーは佐々木アキラだと思う。10年前から既に、1/100秒の世界を楽しんでいる真のフリースキーヤーだったと思う。
俺がいまのスキースタイルに自信を持っていられるのはアキラの影響が大きいよ。本当にありがとう。普段はお互いスキーの大会結果に関してはあまりしゃべらないし、久しぶりに話しても「
いいパウダー滑った」、「いいレールがある」。決して「オリンピック出場おめでとう」、「ワールドカップおめでとう」っていう話にはならない(笑)そういう話は忘れた頃にするぐらいかな。
んな関係の俺らだけど、以前アキラが自信のブログの中で「唯一尊敬するスキーヤー」として名前を挙げてくれたことは本当に嬉しかったよ。
今回のコラムの場を借りて言わせてもらうと、今の俺に大きな影響を与えたのは間違いなくお前だよ。俺の中でも「尊敬するスキーヤーは佐々木アキラというフリースキーヤーだ」
俺は同じ1981年生まれ同じフィールド、雪とスキーを共通点にアキラと出会い、10年経った今も2人ともスキーができていることが幸せに思うよ。
これから先もよろしく!
「最高のスキー仲間」佐々木明。
上野雄大
Copyright(c) Sasaki Akira. All right reserved.
サイトマップ